黒革のソファが完成した。
最近竣工した
小日向の家のためにデザインし、イタリアの工場で製作したものだ。
この住宅同様スクエアなシルエットで、ゆったりとした座面の黒い革貼りの本体をクローム仕上のスティールフレームが支えている。
小柄な施主に合わせて座面を低めに設定し、背の高さも抑えることで重心の低い落着いた空間に馴染む様に意図している。
普通に腰掛けることは勿論、上であぐらをかいたり、寝そべったり、だらりとくつろいだり、、、どんな姿勢も包み込むことが出来る様に。そして、わいわいと人が集まる囲炉裡端の様な配置にしてある。
設置してみんなで麦酒で乾杯。隣の境内の緑と瓦屋根をフレーミングした6M近い
水平窓からの夕空が、ガラスと鏡のセンターテーブルにも映り込んで風に揺れていた。
ソファに身をまかせてしばらく風と景色を楽しみながら、施主のYさんも製作を手配してくれたT氏も、すっかり黙り込んでそれぞれ満足そうな顔をしていた。
このソファが、日々の生活と建築を繋ぐことでいい時間を過ごす切っ掛けになればと思う。